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果実 アーカイブ

ウワミズザクラ

「サクラ」とは呼ぶものの、白い小花をブラシ状に集めて穂型に咲くのがウワミズザクラです。

越後地方では、この花蕾を房ごと塩漬けにしたものを「安仁子(あんにんご)」と呼び、強壮強精食品として重用しています。

酒には花の蕾(3~5月)と果実(7~8月)を用いますが、春に花蕾を漬けたものに夏の果実を加えたものを最良とします。

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ウワミズザクラ酒の作り方

・生態・

ウワミズザクラはバラ科の落葉高木で、北海道、本州、四国九州に分布し、平地から山地までの林野や湿原に生えます。

10~20mの高さになり、4~5月ころ、葉が開いた後に1年枝の先に長さ5~15cmの総状花序を出し、径6~8㎜の小さな白色5弁花をたくさんつけます。

花後、長さ6~7㎜の卵形の石果を結び、夏に紅~黒熟します。

近縁のエゾノウワミズザクラ、イヌザクラなども同様に利用できます。

・利用部位と採取期・

蕾のうちの花穂と熟果を利用します。

花穂は4~5月、熟花は7~8月に採取します。

・作り方・

酒容量に対し、花穂は6割、果実は4割を入れ、氷砂糖100gを加えて漬け込みます。

花穂は1週間で取り出しますが、果実はそのままでいいです。

ともに3~4ヶ月で熟成します(花は黄褐色、熟果は紅色)。

・効能・

疲労回復、セキ止め、去痰、強壮、精神安静、安眠などのほか、美容にもいいです。

シュンラン

ツチアケビ、オニノヤガラ、そしてこのシュンランなど、ラン科の植物にも酒の材料として利用できるものがいくつかあります。

これらは味や風味を楽しむというよりも、薬酒としての需要が高いですね。

シュンランは、古くから不老長寿の霊薬とされ、花をつけたままの花茎をてんぷら、おひたし、和えもの、酢のものなどで食用する習慣があります。

酒にも、この花をつけた状態の花茎を利用します。

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シュンラン酒の作り方

・生態・

シュンランはラン科の常緑多年草で、北海道(奥尻島)、本州、四国、九州に分布し、平地から山地までの林内に生えるほか、観賞用に鉢植えなどで栽培もされます。

10㎝程度の草丈になり、3~4月ころ、膜質のさや(はかま)に包まれた長さ10~25㎝の花茎を伸ばし、先端に直径3~5㎝の淡緑黄色の花を1個つけます。

この花をつけた花茎は、おひたしや和えもの、てんぷらなどで食用するほか、塩漬けにして蘭茶にします。

また、民間療法では根を止血、消炎などに用います。

・利用部位と採取期・

3~4月に花をつけた花茎を摘んで用います。

・作り方・

花茎のさや(はかま)を取り除いて水洗いし、よく水けをきります。

酒容量に対して、半量の花茎を入れ、氷砂糖100g(酒1.8リットルに対して)を加えて漬けます。

中の花茎は1週間で出しましょう。

3~4か月で淡黄褐色に熟成します。

・効能・

古来、不老長寿の妙薬といわれ、疲労回復、精神安静、安眠、強壮などに効用があります。

ウイキョウ

ウイキョウは、地中海沿岸~西アジア原産のセリ科の多年草です。

日本にも早期に移入され、薬草としての栽培が古くから行われてきました。

若い人や女性には、古来の和名であるウイキョウよりも、ハーブ名のフェンネルのほうが通りがよいかもしれませんね。

ウイキョウは世界的に広く活用される薬草で、肉や魚料理から薬茶、浴湯料まで用途も広いです。

酒には葉と茎(暖地では通年)、種子(秋)を用います。

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ウイキョウ酒の作り方

・生態・

1~2mの草丈になり、6~9月ころ、枝先に複散形花序を出し、小さな黄色の5弁花をたくさんつけます。

花後、長さ7~10㎜の楕円形の果実を結び、9~11月に熟します。

葉と若茎、種子を料理の香味、ティー、浴湯料など広く食用・薬用されています。

・利用部位と採取期・

葉と若茎(春~秋)、種子(9~11月)を、それぞれの適期に採取して用います。

・作り方・

葉と若茎は、洗ってよく水けをきってから適当な大きさに刻み、2~3日天日にさらして半干しにします。

酒容量に対して、葉と若茎は5割、種子は3割を入れ、それぞれ氷砂糖100gを加えて漬け込みます。

種子はそのままでいいですが、葉と若茎は1週間で取り出しましょう。

ともに3~4か月で黄~褐黄色に熟成します。

・効能・

アネトール、ピネンなどの精油成分を含み、疲労回復、強壮、健胃、カゼ、去疾などにいいです。

イチゴ

ここでいうイチゴは、広く栽培されオランダイチゴです。

「女峰」「ダナー」「アイリー」「とよのか」「久能早生」「宝交早生」などたくさんの栽培品種がありますが、
果実酒作りには品種はどれでもいいでしょう。

ただし、ハウス栽培ものよりは自然の陽光を浴びた露地もののほうが、味も効能も数段まさっています。

また、ノウゴウイチゴなど野生の草イチゴが入手できれば最高ですね。

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イチゴ酒の作り方

・生態・

通常わたしたちが「イチゴ」と呼んでいるのはオランダイチゴのこと。

南米原産のチリーイチゴや北米原産のバージニアイチゴがヨーロッパに移入され、これらと他の種類を交配して生まれたのがオランダイチゴです。

日本には天保11年(1840年)にオランダ人によってもたらされましたが、広く栽培が行われるようになったのは明治時代中期以降のこと。

このオランダイチゴが普及するまでは「苺」といえば野生種のナワシロイチゴや木イチゴ類のことであったといいます。

バラ科の多年草で、本来は4~6月に花をつけ、4~7月に果実が紅熟するが、現在では促成もしくは抑制栽培によって通年摘果出荷されるようになりました。

・利用部位と採取期・

果実を利用。

市販品が通年出まわるので、1年中利用できますが、健康効果の観点からは、4~7月に摘果する露地栽培ものがいいでしょう。

また、品種では、糖度の高いものよりも、酸味が強い原種に近いものが効能も味もすぐれた果実酒になります。

・作り方・

水洗いしてヘタを取り除き、よく水けをきります。

酒容量の半分を入れ、氷砂糖100gを加えて漬け込みますが、中の実は1週間で取り出しましょう。

3~4か月で鮮やかな桃紅色に熟成します。

・効能・

ビタミンC、りんご酸、クエン酸などを含み、疲労回復、滋養強壮、安眠、美容などにいいです。

ヘビイチゴでも作れる!

日本に自生する草本性のイチゴ(オランダイチゴ属)には、ノウゴウイチゴとシロバナヘビイチゴがあります。

両種の果実とも甘味があって、生食できるほか、果実酒に利用できるのです。

ノウゴウイチゴは北海道と本州に分布し、深田、高山の湿りけのある草地に生え、6~7月ころ白い花を開き、8~9月ころイチゴ型の果実が紅く熟します。

シロバナヘビイチゴは更北地方~甲部地方と九州屋久島の深田に生え、5~7月ころ白花をつけ、果実は夏~秋に赤熟します。

果実酒の作り方は、前回紹介したイチゴ酒と同じです。

野生の分だけ効能はまさっています。

栽培イチゴに比較して果実はずっと小ぶりなものの、味はまさるとも劣らない一級品で、やみつきの美酒になりますよ!

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キウイ酒

・生態・

キウイは、マタタビ科のつる性落葉高木。

中国大陸原産のシナサルナシ(チャイニーズ・グーズベリー)が移入先のニュージーランドで改良されたもので、果実の姿形や色が同国特産の鳥であるキウイに似ているところから、「キウイ・フルーツ」と名づけられたそうです。

原種のシナサルナシの果実が長さ3~5㎝であるのに対し、本種では8㎝内外。

長い間、ニュージーランドの特産果樹として苗を国外に持ち出すことが禁じられていたのですが、現在では解禁されて、日本でも広く栽培が行われるようになっています。

5~6月ころ、新年枝に径3~4㎝の黄白色で芳香のある5弁花をつけ、花後、長さ6~8㎝ほどで茶褐色の毛におおわれた長楕円形の果実を結び、10~5月ころ熟します。

この熟果には芳香があり、生食のほかジャムや果実酒に利用します。

・利用部位と採取期・

木なりのものは熟果を採取して利用しますが、輸入ものも含めてほぼ通年市場に出まわるので、これを利用すれば1年中作れます。

・作り方・

洗って水けをきった果実を2つ割りし、酒容量の6割を入れ、氷砂糖100gを加えて漬け込みます。

3~4か月で黄色に熟成しますが、熟成したら中の果実は取り出しましょう。

この果実でジャムを作るといいですよ。

・効能・

ビタミンCを豊富に含み、疲労回復、美容、安眠、強壮などにいいです。

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